年金やクレジットカードの手続きを終えたということで、そろそろ大物な手続きを片付けるのが視野に入ってきました。自動車の処分(軽自動車以外)・銀行口座・生命保険などの手続きを行うのに避けて通れないのが「生まれてから死亡するまでの戸籍の謄本」とか言われるやつです。
例えば、生まれてから死ぬまで本籍が一つの市町村から出なかった人について、同居の親族が謄本を取得するのは割と簡単で、市役所とか町村役場の住民課に行って「銀行口座の解約に必要なので、父(母)の戸籍謄本を取れるとこまで遡ってください」と説明して申請すれば欲しいものが一式揃うはずです。発行の料金もその場で言われた額を払えばいいので財布の中身の心配以外は何も問題ありません。
さて、私のように「親と同居してない、しかも遠方に住んでいる」パターンだと、本籍地の市町村役場になかなか行けない…というケースもあると思います。
そうなると、どうしても郵送で取得するのが一番早いということになりますが、「初めての手続き」だと右も左もわからなくて不安だらけになるわけです。今まさにその手続きをやっているので自分なりに「ここがポイントだ」という部分を書き出してみようと思います。
司法書士とか弁護士事務所のウェブサイトを見るといろいろやり方が書いてあって参考になるのですが、細かい点については「実際にやってみて役場の職員さんと電話で話をしてみてやっとわかった」点もあったりします。
まずは親が亡くなった時点の本籍地の市町村役場に「死亡から遡れるだけ戸籍の謄本をください」という内容で郵送請求をかけます。所定の申込用紙や申請の宛先は自治体のウェブサイトに情報があるのでそれを使います。それだけで伝わるか不安な場合は、申請用紙とは別にA4用紙や便せんに取得の目的を詳細に書いて同封すればいいと思います。請求内容の詳細に不明な点があった場合、職員さんは電話できっちりヒアリングしてくれるはずです。
ウチの場合「母が1月に死亡、父が3月に死亡したので父の戸籍には生存者がいなくなっている」という状態になります(私や姉は結婚して別の戸籍)。この状況で「死亡者を含む戸籍の謄本」を申請すると「戸籍謄本」ではなく「除籍謄本」の申請になります。もし、2月の時点で謄本を申請していれば「母の死亡の記載がある戸籍謄本」を申請するというパターンになっていました。戸籍謄本と除籍謄本は発行手数料が違うので要注意です。
さらに「戸籍を遡る」という部分ですが、ウチの父も母も「結婚までは実家の戸籍(生まれてから本籍地の移動無し)、結婚して新しい戸籍を作る際に本籍の住所を新居の住所に変更、その後は本籍地の変更なし」というケースでした。
このため私は「父母の結婚後の戸籍(除籍)謄本と、結婚前の戸籍(除籍)謄本」を取得すればいいのかなと勝手に考えていたのですがそうではありませんでした。
実際に取得した人から「そんなの当たり前だよ」と言われそうなのですが…戸籍に関する法律が大きく変わる際に、自治体はそれまでの戸籍から新しい書式の戸籍に内容を記載しなおします。これにより本籍を移動してなくても、戸籍の法律の変わり目で「遡るべき古いバージョンの戸籍」ができちゃいます。この古い戸籍が「改製原戸籍」だそうです。
戸籍に関する法律の大きな変わり目が、平成6年と昭和23年にあったそうで(さらにその前は大正時代)、昭和23年より前に生まれた人が平成の終わりごろに死亡すると、「死亡時の戸籍」「平成6年より前の戸籍」「昭和23年より前の戸籍」と最低でも三つのバージョンの戸籍があることになり、これを全部取得しないと銀行口座の解約もできないというわけです。
私の父母は両方とも昭和20年以前の昭和生まれで、昭和40年頃に結婚して本籍地を変更していますので、
A)生まれた時の戸籍(本籍はそれぞれの実家)
↓
B)昭和23年の法律改正に合わせた戸籍(本籍はそれぞれの実家)
↓
C)結婚以降の戸籍(本籍は結婚後の住所)
↓
D)平成6年の法律改正に合わせた戸籍(本籍は結婚後の住所、死亡の情報はココに含まれる)
という感じになるみたいです。つまり、戸籍を出生まで遡ろうとすると、「結婚後の戸籍がCとDで2通」「父(母)の実家の自治体の戸籍がAとBで2通」の計4通を取得しないと「戸籍が遡れない」と思われます。当然ですが発行の手数料はA/B/C/Dそれぞれに発生します。A/B/Cは原戸籍なので750円/通、Dは除籍謄本なら750円/通、戸籍謄本なら450円/通です(平成31年4月現在の値段)。
現状は今まさにC/Dを取得中で、Cの内容を見てA/Bの取得申請をかけようとしています。この作業のために参考にした司法書士の事務所のウェブサイトには「戸籍(除籍)謄本/原戸籍を郵送で取得する場合、料金支払用の小為替は余分に入れておきましょう」なんていうTipsがありました。「2通分でいけるだろ」という場合でも、もしものために3通、4通分の料金をいれておけ、ということですね(使わなかった分は返ってくるはず)。
とまあ、郵送申請だと時間もお金もかかる戸籍/原戸籍を遡っての取得なのでした。
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